近年ぽつぽつと空き家が目立つ日当りの良い住宅地。この場所を譲り受けた単身の施主は、3.11の後、誰かと共に住む事−ただし、高度の社交性を必要とせず、見守り機能を持ちながらも、一つの場所を緩やかに共有する自由な住み方—を希望した。
建蔽/容積をフルに使ったボリュームのインパクトを減らす為、また敷地が享受していた採光と風の抜けを生かすという希望、木造賃貸の上下の音の問題から、ほぼ縦割りで高さの異なる3つのスライス=3つの長屋に分節し、それらを南北にずらして配置した。ずれが隙と見え隠れを生み、プライバシーを守りながらも場を共有する気配が染み出るようにと考えた。
各スライスが順に他者によりかかる形で外部空間を持ち、屋上は相互の屋根に囲まれた落ち着きと開放性を併せ持っている。またスライス同士が支え合って浮かぶボリュームの下は、集いの場にもなるオープンスペースとし、風通しの良い軽やかな互助の場をつくろうと試みた。
(c)Koichi Torimura
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https://www.ikedaono.com/works/sandwich-apartment/
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