谷に向かって緩やかに傾斜していく敷地の中央には太古に浅間山から飛来したらしい巨大な一枚岩が神守のように鎮座していた。この岩を残しつつ、数百軒の別荘が建ち並ぶ別荘用分譲地の建築協定によって定められた壁面後退線との空隙を縫うように建物の配置が定められた。前面道路からは施設の用途が判別できないほど閉鎖的で異様に見える木造のキャビンが地表から浮かびあげられ、アプローチ動線となるデッキが奥に垣間見える岩を回りこんで昇っていく。デッキの動線はそのまま内部に延長され、板の間から畳の間に転じてゆき、谷に向かう視線を開いていく。
既存の大石の廻りを回ってアプローチする回廊。
3室に仕切れる大広間の和室。
柱で浮いた外観。
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