季節によって表情を変える田園、象徴的な煙突、住宅と工場が寄り添いながら、その背後では太陽の光でキラキラと輝く伊勢湾が広がる。夜になると街には明かりが灯り、色とりどりの光が瞬く。これらを望む高台で、新設中の住宅地の一区画に、この住宅は建っている。
お施主さんは小さな子供二人を持つ夫婦。「景色を考慮し開放感のある住まいであること」と、「家族との関係を遮断せずに子供に各個室を与えること」を求められた。
はじめに、景色を取り込むために、リビングには大きな開口部を設けた。また子供の気配を感じられるようにするため、リビングと子供室をつなごうと考えた。しかし敷地の都合上、リビングと子供部屋を直接つなぐことができなかったため、リビングに吹抜けを設けて2階の子供部屋とをつなぐことで、子供が家族の空間に出来る限り接することができるようにした。これによって家族は互いに気配を感じ取ることができる。また、リビング(ダイニング・キッチンを含める)は住宅の中で家族の絆を深めるための重要な場所であると考え、リビングを景色と向き合うように、逆に子供部屋からは景色が見えないようにした。子供にとって『家族との思い出は景色が見えるリビングとある』というような住宅であってほしい。
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