










クライアントのご実家に隣接する敷地に、犬と共に過ごすお1人暮らしの家を建てたいとの依頼でした。
脚の不自由な犬がいろいろな場所を動けるように、スロープを家の中に取り入れたいとのご希望があり、
計画が始まりました。
敷地の大きさから、家の内容を盛り込むには2階にする必要があり、すべての動線をスロープとすると距離が
長くなりすぎるため、1階の途中のレベルまでを幾らかスロープで上がり、そこから2階へは階段で上がる計画としています。
1階は玄関、LDKと水回りがあり、2階には書斎と寝室、ベランダを設けています。
スロープ上部の南東および南面に設けた窓は、小さなサイズを不規則に配置しています。
このことで光の移り変わりや、人の目線が変わる際の見え方の変化が多様になります。
また、その壁面にブラケット照明を設けたり、クライアントがお持ちの絵を飾ったりなど様々な壁面の要素が同居できる壁面としています。
2階へ上がる階段はスロープと同じ太さの線が2階まで回るように見え方を揃えました。
階段下部はキッチンの背面収納としていますが、建具を用いてフラットな壁面のように納めることで、スロープから続く階段を際立たせました。
また、キッチンのレンジフードはいかにもキッチン、という雰囲気を隠しつつ、2階からの見晴台としての居場所を兼ねています。
幾らかスロープを設けるという考えにより、1階にスキップフロアのような場所が出来上がり、スロープの床に腰掛けたり、
犬がスロープを移動し、そこにたたずむと人と犬との目線の高さが近づきます。
家の中を巡るスロープが単なる移動経路ではなく、人と犬の視線が交差し、立体的な動きを生み出す要素として機能しています。
