「housecoアワード2010」最優秀賞受賞。
なんといってもこの建築の特徴は極端なローコストであるということ。これはなにも自慢することでもないが、「建築家はおだてれば木にも登る」という典型であろう。施主のコンペ時の希望はシンプルモダンというものであったが、なんとも奥に長い敷地が面白いためコンペに参加した手前、どうしてもうなぎの寝床的なイメージをふくらませ、施主には意外な案を提案をした。幸いにもそれが気に入ってもらい採用されたものだが、決定後も、当初の案から二転三転して現在の最終形に落ち着いた。その変更は設計者からの申し出を施主が快く受け入れてもらえたから実現したのだが、これは、予算以外は任すという徹底した施主の姿勢がなしえた成果であろう。