既存の住宅は大阪市生野区の密集する住宅地にあった。西側の通路は狭く、東、南側とも隣地が迫る。採光不足の為、あまり使われていなかった1階を再生するには、直接光と風を取り込む必要があると考えた。
南端の中央部に屋根を貫く一坪の光庭を設ければ、光、雨、風を建物深くに取り込む事が出来る。また二世帯住宅だった為、複雑だった動線を整理し、各階の用途をはっきりさせる事で、プランの効率化を計る事にした。
1階、2階とも、内部に足を踏み入れると視線の先には光庭があり、緩やかに人を導く。1階には寝室、浴室などのプライベートな空間を、2階は書斎と繋がるLDKの一室空間のみとした。既存の天井は撤去し、屋根面までの天井高を確保する。隠れていた構造体が表れ、部屋の表情は大きく変わる。強さを増した光は、半透明の床を透過し1階へと光を伝える。
光庭には生命力の強いカクレミノを植えた。隣り合う浴室からは、庭に降る雨や、揺れる葉を眺める事が出来る。
この坪庭は、密集した住宅地で自然を感じる空間であると共に、この場に住まう象徴でもある。
所在地:大阪市
構造規模: 主体構造 木造 2階建て 改修
建築面積: 57.55 ㎡(17.41坪) 延床面積: 114.45 ㎡(34.62坪)
1階床面積: 56.90 ㎡ (17.21坪)
2階床面積: 57.55 ㎡(17.41坪)
施工: タカオカ建築株式会社 担当 高岡一志
■2007年9月21日発行の『新しい住まいの設計11月号』 (扶桑社)に紹介されました。
■2011年4月23日 毎日放送『住人十色』で紹介されました。
■一級建築士事務所アトリエm→ http://www.atelier-m.com/
・来客の皆様、階段をあがって2階の様子が見えた時は、開放的な空間に驚きの声をあげられます。
・光庭を眺める事ができる浴室
・1階の廊下まで明るい
都心部の住宅において、リノベーションで減築は勇気ある決断。が、その先には光と風を感じる空間があります。
工事費用の一覧を作成してくださいました。
アトリエmのHPで詳しい内訳も公開しています。
■工事費用:¥19,500,000 (税込)
・上記の金額に含むもの:外構¥201,810-、造作工事¥\1,008,105-、
解体工事¥1,156,260-
・上記の金額に含まない:システムキッチン、エアコン、照明(ペンダントのみ)は施主支給
※工事費用はクライアントの了承を得て公開しています。
非常に満足して暮らしてます。光庭をつくることで部屋として使える面積を削りましたが、 にもかかわらず家全体を有効に、十分に使えるようになったと思います。