敷地は市中より僅かに離れた未だ田畑も残る住宅地、緩やかな南斜面にある。
やや散漫な環境にあるため、内部と周囲との間合い・繋がりを、塗り仕上げ・木ルーバー等数種の塀と植栽による中間領域の在り様によって調整している。
2つの矩形の平面に、低く軒深い寄棟屋根が載る外観は、穏やかな表情の中にも緊張感のあるバランスを保つよう各部のスケールに注意を払った。
構成は、プライベートゾーンとパブリックゾーンを明確に分け、玄関より1直線に抜ける動線が 各スペースを有機的に繋いでいる。
内部は、周辺の景色を採り入れつつ、木と漆喰の柔らかな質感を生かし、プライバシーの守られた落ち着きのある住空間となっている。片流れの高い天井と、細身の化粧梁天井、時に応じた建具の使い方等、変化と統一感のある伸びやかな空間となるよう意図した。
リビングと繋がる撞球場は、床を300㎜下げて高い天井に床を石張りとし、友人を迎え楽しむ親しくパブリックな設えとしている。
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