依頼者のご要望
子供の受験を控えこれまで親子で使用していた寝室を子供に譲り、リビングの一角に建具で仕切れる小上がりを作りそこを夫婦の寝室として使いたいというご要望でした。リビングの一部としてもなじむ木質素材の仕上げであることと、大容量の床下収納の確保が求められました。
設計・デザインのポイント
小上りを施工するにあたり、まず大工と家具屋のどちらに施工してもらうかを考えました。大工は現場の状況に合わせて臨機応変にまたぴったりと隙間なく施工できるという利点がある一方、家具屋は工場で制作したものを組み上げていくため現地での工期が短いという利点があります。受験勉強に支障がないよう工期を短くすることと工事費が抑えられることから家具屋の施工としました。
出来るだけ隙間なく取り付けられるよう入念に取付方法の検討と実測を行いました。
狭く仕切られた空間では床・壁・天井などの仕上がりが目に近いため、すっきりとしたデザインであればあるほど職人技が見えてくる作り込まれたディテールが必要です。米杉の柱と鴨居、米松の敷居、厚さ36mmの杉床板などを仕上げ材に使用しました。白を基調に統一感のあるデザインとなっている現状のマンションに本物の素材、本物の空間を取り入れることで全体の質感が高まり、豊かなリビング空間になりました。
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