ブナ林の公園の中にある公共の宿泊コテージ。日本有数の豪雪地帯であり、冬季の最大の積雪が4mとなるような場所に立っています。リフレッシュの場として、周辺の自然だけでなく、建築空間体験からも新鮮なコテージをつくろうとしました。
外形は、総工費から可能な最大容積を確保するように決め、それを地域の豪雪に対する建築的作法に従って現実化しています。大きな容積は夏の過ごしやすさにつながり、雪の作法は、孤絶する冬季、管理なしで豪雪に耐えるための必須条件でした。その「大きな箱」の外形が室内にダイレクトに現れています。
一方、滞在に必要な機能(調理、食事、洗面、入浴、就寝)と面積を線状に並べ、「チューブ」と名付けました。
「大きな箱」と「チューブ」の2つが重なり、空間となっています。チューブは大きな箱の制約で複雑に折り曲げられ、大きな箱は曲げられたチューブにより、不定形に切り欠かれます。外形が決めるボリュームと機能が決めるボリュームのずれをずれのまま提示し、思い掛けない空間を出現させようとしました。
大きな箱は黒く、チューブは白く仕上げています。対比は、対照的な視点を提供し、コテージを囲む林を豊かに立ち上がらせます。
外観は、地域の伝統工法、押縁下見板張りとし、黒い色は焼き杉に合わせています。地域の蔵や民家に近い見慣れた印象となるため、住民は、ブナ林の環境の中で存在を強く意識しません。ブナ林の公園に建つことへの配慮です。
室内に入ると外観の抑えたイメージから一転します。大きな箱とチューブのコントラストに加え、見慣れた外観と見慣れない内部というもう一つのコントラストが生まれます。
http://www.future-scape.co.jp/g200303works/g200303worksimage/g2003b02cottgec/g2003b02cottgec.html
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