「わかたけの杜」神奈川県青葉区の緑豊かな保存樹林に隣接した、全66戸の戸建て風のサービス付き高齢者住宅です。工事中に全ての住戸が予約で埋まる大盛況でした。
住戸は入居者の生活の変化に応じて、可動間仕切りと可動家具を移動することで、間取りの自由な変化を可能にしています。また、町屋格子にヒントを得た細かい穴が空いた折板によるスクリーンによって、プライバシーを守りながら穏やかな気配を感じると同時に、街全体に調和をもたらしています。
センターハウスは2階住戸へ車椅子や足腰の悪い高齢者がアクセスするためのエレベーターを持ち、共用の食堂とリビングがあります。ここでは準耐火建築物でありながら、木の門型フレームが連続する天井の高い居心地の良い共空間を実現し、リゾートのラウンジような場所にしました。各住戸は2階部分で空中歩廊によって立体的に連結されることで、上下の路地の視線が交わり、入居者のコミュニケーションを誘発します。内外に使われている材料はすべて安価な既製品を使用していますが、その組み合わせや納まりを工夫することでローコストでありながら、美しいデザインを可能にしています。
高齢者住宅におけるこれらのキメの細かい工夫は、若い人が暮らす戸建住宅や集合住宅にこそ必要なアイデアであり、年を経ても変わらず快適に暮らせる住環境を実現するものです。
この施設は国土交通省平成24年度高齢者・障碍者・子育て世帯居住安定化推進事業による国庫補助に関東で唯一選定されました。
共同設計:健康設計
構造設計:株式会社MID研究所
設備設計:総合設備計画株式会社
外構設計:カネミツヒロシセッケイシツ
施工:大洋建設株式会社
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