世田谷の住宅地の一角に、地下1階、地上2階の高密度の住宅、いわゆる狭小住宅を計画しました。
地上には駐車スペース、地下1階は浴室と個室、1階はLDK、2階は個室2室という構成です。
階段は開放して住宅全体の光井戸として扱い、吹抜けのハイサイドライトやテラスを設けて光と風を享受し、近隣からプライバシーを守りながらミニマルでも豊かな空間を提案しました。
世の中の狭小住宅にありがちな、圧迫感のある部屋を単に積み重ねた構成を避け、家族の交流が自然に起こり狭小を楽しめる生活が営まれればと思います。
そして、街にはミニマルな白い塊が現れました。
設計担当:納谷学、松下有為
構造設計:yAt構造設計事務所 森部康司
施工会社:平野建設 稲忠春
構造形式:地下1階RC造、地上2階木造
敷地面積:51.72㎡(15.65坪)
延床面積:51.54㎡(15.59坪)
地下1階床面積:24.48㎡(7.41坪)
1階床面積:30.60㎡(9.26坪)
2階床面積:20.94㎡(6.33坪)
①半地下
半地下で最高確保し、コストを抑えています。
②吹き抜け
狭小ながらも大きな吹き抜けで隣地の建物に影響を受けない明るいLDKを確保しています。
④ミニマルなプラン
無駄のない動線とスペースを有効に繋げることで、床面積のイメージ以上の豊かさを実現しています。
地下にすると光が入らないという一般解に対して、半地下にすることで有効な光と通気を確保しました。地下とは思えない個室を実現しています。
ガレージをまともに計画すると、それなりの面積が必要になります。
玄関アプローチと兼ねた大きな庇の下を駐車スペースとすることで、車が駐車していてもしていなくても美しくミニマルなデザインにしています。
小さい家、大きな家、家族の住まい方にはそれぞれの家族にあった大きさがあると感じました。
小さな家が数字で単に窮屈な結果で終わるのではなく、かと言って大きな家が必ずしも豊かな生活を保障するものでもありません。
豊かさは大きさではなく、その家族の住まい方にあります。
小さな大根
私は秋田・能代の出身です。
小さい頃から大根おろしは辛いものが重宝されてきました。
そこで言われるのが、「小さい大根は辛い。」。
そんな家だと思います。
松下有為(元スタッフ)
yAt構造設計事務所 森部康司
平野建設 稲忠春