施主は都内の北斜面+第1種高度地区の旗竿地を購入するかどうか迷っていた。北斜面のため採光が難しいことは当初から予想したものの、界隈の閑静な雰囲気と斜面下にあった公園の緑に施主は惹かれていた。周囲を建物に囲まれた北斜面の土地。採光という課題を解決するために、建物中央に3層吹抜の光井戸を設ける方法を取った。南側頂部にハイサイドライトを設け、この敷地で可能な限りの光を取り入れた。この光井戸の壁と天井を柔らかな湾曲でつなげ、頂部から下層への滑らかな光のグラデーションを作った。ハイサイドライトからの光のハイライトやグラデーションの表情は、時々刻々と多彩に変化し、1日中見ていても飽きない。光井戸頂部は暖気だまりとなるため、冬季はその暖気を活かすため、1階へ暖気を回す換気設備を設置している。夏場はハイサイドライトを開放することで、自然と光井戸全体に空気が流れる。長い旗竿部分は、建物へいざなう路地としてデザインした。3階は第1種高度斜線のため部屋を作ることができなかったが、スカイデッキとしてプライベートの展望台を提案した。刻々と変化する光の変化を眺める楽しさと、斜面下にあった公園の緑がスカイデッキから見えることに施主は喜んでくれた。
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