土地探し段階からの相談でした。
住み慣れた地域での住み替えプロジェクト。
数年間に渡って、いくつかの土地を一緒に見ていきました。
随分前に開発された住宅街でしたので、擁壁が劣化していたり、崖になっている土地を避けながら最後にこの土地に決定していきました。
主な希望としては、敷地の南方向を生かしたプランにしてほしい。
三角屋根の形状を使ってほしい。
趣味のバンド演奏を仲間や家族とできる家にしたい。
ということでした。
そのような状況から、建物の配置は、道路には正対せずに、南方向に向けて45度程度振った配置を基本としています。
長方形の敷地に対して、ワンボリュームの建物を回転させると、無駄な余白が沢山生まれてしまいます。
ひとつひとつの部屋をボリュームとして扱うことで、建物の輪郭に自由度が増し、敷地に無駄な余白を少なくすることにしました。
ひとつの部屋を三角屋根のボリュームと捉えることで、その部屋ごとに採光や天井高さなどのコントロール性が上がり、北側斜線など法規的なラインもクリアしつつ、各部屋の要望もクリアすることができました。
本格的な防音工事がコスト面では難しいため、音楽室を中心とした配置とし、周囲を部屋で囲うことで防音を高めています。
個室が1つのボリューム的な扱いになっていることで、それぞれのスペースが独立した雰囲気になっており、ボリュームとボリューム間の変化が楽しめる住まいになっています。