敷地は、幹線道路から少し奥まった位置にあり、敷地周辺には農地が広がり、田園風景のなかに位置しています。最優先事項として、壁で囲われた庭に開く住宅が求められました。
この住宅は、大きな壁で構成されていて、この壁は耐震要素にもなっています。壁の高さを変えることで、空間に抑揚やリズムを与えています。具体的には、ぐっと高さを抑えたトンネル状の玄関、それにつづく坪庭、1.5層吹抜けのポーチ、コンパクトな子どもコーナー。その他の空間が通常の天井高でさえ、拡がりを感じられるような工夫をしています。また、目線より少し高い壁に覆われた中庭は、周辺の田園風景から視覚的に独立させるようにしていますが、田んぼを通る涼しい風や温かい日差しなどは受け入れる、周辺環境とよい距離感を保つように配慮しています。
板金業者である建築主が板金施工をしています。しかし、既製品を使うのではなく、唯一無二の外壁を創っていこうと、1枚200角の一文字葺きを採用しています。これには、相当な労力と手間がかかりますが、すべて手加工とし、材料の無駄が少なくなるよう、1枚の大きさは、原板の大きさから決めていて、材料の無駄がでないようにも配慮しています。
妥協を許さない建築主の職人としての姿勢が、この住宅に携わったすべての人に波及し、詳細までこだわった住宅となっています。
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