葉山の山の中腹に建つ週末住宅である。地名の通り「葉」と「山」に恵まれ、更に「空」「海」も楽しめる敷地を建て主とともに選定した。LDKや寝室などの2階建ての主棟と半露天風呂のある水回りの平屋棟、及び駐車スペース屋根の3つのボリュームにより構成している。主棟は6.37m角正方形、中央に室全体を繋ぎ統合し、中心性を与え、かつ方形屋根中央のトップライト開口及び垂木受け梁を支える1階から屋根まで建ち上がる4本の杉の構造斜丸柱を添えた。これにより内部に独自の空間磁場を持ちつつ、外に大きく視線が解放される室内が得られた。更にこの柱を巡って床をらせん状にスキップ配置させ、緩やかな上下階の連続性も確保し、2階建てでありながら上下階が連続した空間と感じることができるようにしている。また、使用材料なども西川材杉板による冬期床の冷たさ軽減・調湿、ウッドロングエコを塗布した国産杉板の外壁・デッキ材、大きな屋根による夏期日射の軽減、高床形式による湿度対策、東南に開いて北西に閉じたプライバシーへの配慮及び夏期西日遮熱、ガラス面のロールスクリーンによる断熱効果など、皮膚感覚及び温熱環境上の快適性、ランニングコストの軽減、メンテナンスにも配慮した住まいを目指した。周辺環境に対応した佇まい、自立した求心性のある室内空間、吟味された仕上げなど週末住宅として都心では実現の難しい葉山の風土ならではの快適な住宅が出来たのではないかと思う。
2018年神奈川建築コンクール景観賞受賞
http://www.mf-architect.com/Works17.html
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