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2015年 3月11日

萩の素材を散りばめ、地元の職人さんと一緒につくった ゲストハウス「ruco」/medicala vol.2


地方都市に多く眠る古いアパートやビルを住まい手に合わせてカスタマイズ。そんなリノベーションの可能性を紹介している「リノベのススメ」(『コロカル』で連載中)より。


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素材選びから、オーナー、職人とともにつくりあげた空間

前回は東京の蔵前のホステルNui.について書きました。
今回は、山口県萩市につくったゲストハウスrucoの話をしようと思います。

Nui.をつくってからは、Nui.で棟梁を務めてくれたナベさん率いる、
大工チーム渡部屋と、東京は茗荷谷のcafe & bar totoru
愛知県豊田市の手打ち蕎麦くくりをつくりました。

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totoruの店内。

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くくりの店内。

3つの現場を渡部屋とつくることで、
それまで「施工」のことをほとんど知らなかったんだなと実感しました。
逆に言うと、本当にたくさんのことを学びました。
大きなところでは大工の世界のこと、左官のこと。

例えば、
2本の角材を直角につなぎ合わせる部分を意味する「トメ」や、
木材の一番上の面のことを意味する「ツラ」などの、
大工が使う専門用語の意味がわかると、
職人や業者との会話が成り立ちやすく、スムーズに話が進みます
また、製材所で木目を見ただけでその木の種類が判断できたりすると、
若いからといって舐められることも少なくなるかな……と思います。

木材の仕上げ方もいろいろあります。
ヤスリをかけて綺麗にするだけ、
それにオイルを塗る、ウレタンを塗る、ペンキ塗る、傷をつける、
焼く、焼いてブラシで磨く、粗い表情を残すなどなど。
どの材料にどういう加工を施すか、
それがどこに使われるのか(水場か? 人が触るか? など)、
そういったことを考えながらひとつひとつ仕上げ方を決定して、
わからなかったら相談したりお任せしたり。
ちょっとずつ学んでいきました。

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totoruでカウンター材の仕上げ。

そして、左官もそれぞれの現場で
職人さんが新しい技をどんどん出してくれていたので、
たくさん見ることができました。
材料は土、セメント、漆喰系、石膏系。
仕上げ方は普通にコテで塗ることから、
搔き落とし、版築、ひきずり、磨きなど。
少しざらざらさせたり、ぴかぴかにしたり、
混ぜた小石を表に出すようにしたり……技法と材料で表情がぐんと変わります。
それぞれの素材の特徴のこと、
下地によって変わる配合のことや混ぜ方のことを、
お手伝いしながら観察しながら、時には質問もしながら、勉強しました。

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手伝いにきてくれたみんなと左官の磨き作業の様子。

Nui.、totoru、くくりの3現場では大工さんが同じでも、
みんな同じ技を使うことが少なかったことも学べることが多かった要因です。

さて、そうやって渡部屋と一緒に仕事をすることで培った経験をベースに
初めての地方都市で、
初めて渡部屋以外の大工さんとつくったのが
山口県の萩市にあるゲストハウス rucoです。
今回はそんなゲストハウスruco.のご紹介。

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ゲストハウスrucoを僕が手がけるきっかけをくれたシオくん。

rucoのオーナーのひとり、萩市出身の塩満直弘さん(以下シオくん)。

僕と同い年で、僕も彼も東京で仕事をしていた当時、
東京のゲストハウスtoco.で出会いました。
2011年、当時の僕はまだNui.も手がけていないし、
店舗の実績もない、ましてや僕のデザインを
ひとつもまともに見たことがない状況で、シオ君は初対面の僕に、
「将来、地元の萩市に帰ってゲストハウスをつくりたいから、そこのデザインをしてほしい」
と依頼してくれました。

実績もない僕に依頼してくれたのが本当に嬉しくて、
“それまでに期待に応えられるようにレベルアップしよう!”
と心に誓ったのを覚えています。
シオくんはその後すぐに萩にUターン。萩でのベースをつくるために、
バーの居抜き物件を借りて、「coen」というバーの運営を、
ゲストハウス開業の第一歩として始めました。

それから2年後、Nui.やtotoru、くくりを経てレベルアップした後に
タイミングよく萩市で物件を見つけたシオ君から連絡をもらって、
2013年6月に萩市に入り工事を開始します。

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今回、改装することになった物件。

物件は萩市のバスセンターから
徒歩1分という好立地にある鉄骨4階建てのビル。
1階と2階が元楽器屋さん、3階と4階が住居スペースだったのですが、
しばらく空き家になっていたビルです。

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空きビルのなかはこんな感じです。

前述のシオくんが運営していたバーcoenはここから徒歩5分のところ。
お酒を飲みたい人の受け皿にはcoenがあるので、
ゲストハウスにはのんびりしてもらえる空間をつくろう、ということで

1階と2階をゆっくりできる簡単なカフェ&バー、
3階と4階をゲストハウスにすることにしました。

そして、今回の施工チームはこちら。

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右から大工のマコさん、オーナーのひとり、シオくん、家具職人のチューゲンさん、オーナーのひとり、アッキー。

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改装前にみんなで建物をチェック。写真真ん中の青いチェックのシャツの男性は、左官屋さんの福田さん。

大工さんは入江 真さん(通称マコさん)。
山口県の大工さんで、シオくんが依頼してくれました。
若いけどしっかり修業していたので腕は確か。
センスもある優しい大工さんです。

萩市の家具職人の中原忠弦さん(通称チュウゲンさん)は、
ずっと萩市で活動している職人さん。
木・革・鉄を扱えて実家である製材所に家具工房を併設しています。
優しくて謙虚でいろんなことでお世話になりました。

マコさんが連れてきてくれた萩の隣町を拠点にしている、
左官屋さんの福田靖さん。
現場が終わったあとに、左官業界では有名な人だったと知りました。
現場に入るときも打ち合わせのときも、
いつもパリっとシャツを着ていて格好いいです。
最近扱う人が減った、土や漆喰なども
きちんと扱える信頼できる左官屋さんです。

この職人メンバーに加え、rucoオーナー全員が毎日工事に参加してくれました。

オーナー陣は、
シオくんに加え、秋本崇仁さん(通称アッキー)と原田 敦さん(通称アッくん)。
ちなみに、アッくんはruco立ち上げのために
東京から萩へUターンしてきてくれました。
cアッくんは工事後半からの参加になりましたが、
みんな朝から晩まで、毎日工事に参加してくれました。

電気・ガス・水道・空調・防災工事は地元の業者さんにお願いしました。

以上のように、僕以外は萩周辺で集まった「地元の職人さん」でrucoの工事は始まりました。

今回は、僕にとって初めての「土地感がないところでゲストハウスをつくる」
というプロジェクトでした。
「どういうゲストハウスにするかを考える」こと、
「どういう素材を集めるか」ということを大切に進めました。

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萩市の夜景(完成したrucoの4階より撮影)。

どういうゲストハウスにするかを考える

萩というまちを案内してもらい話を聞きながら、
「萩というまちにはどういうゲストハウスが必要か?」
という部分をシオくんと一緒に考えていきました。

正直僕はシオくんに会うまで
「萩」というまちを知りませんでした
(恥ずかしい話、歴史も詳しくないですし)。
きっと僕みたいな人って日本にいっぱいいると思います。

現在萩で観光資源として代表的に謳われているものは、
「萩焼、歴史、綺麗な海、おいしい魚、萩野菜」です。
これらはすごくいいものです。
でも、客観的に見たとき「これらを目的に人は来るだろうか?」という疑問が残ります。
焼物だって日本中にいろんな種類のすばらしいものがあります。
歴史あるまちだって京都、倉敷、奈良、鎌倉、宮島などたくさんあります。
海がきれいで魚がおいしいまちも日本にはたくさんあります。
もちろん上記に並べた以外に萩に来たいという理由を持った人はいるけど、
そこまで理由を持っている人は、こっちが何か仕掛けなくても萩に来てくれると思います。

いままで萩に興味を持たなかった人が萩に来たくなるように、
そして萩の魅力を知ってもらうために……。

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今回のrucoの素材をたくさん焼いていただいた、萩焼の窯元「大屋窯」へ訪ねたときのひとこま。

そのために、僕は
『rucoが旅の目的になる』
というところを目指しました。
萩に来るからゲストハウスに泊まるんじゃなくて、
まずはrucoに来たくて来る、
それをきっかけに萩を知る。

そのために「かっこいい宿をつくること」を目指すのではなく、
かっこいいことはもちろん、
宿を構成するものひとつひとつに意味があって、
オーナーや関わってくれた人への萩への愛で溢れていることが、
来てくれた人に伝わって、萩にまた来たくなるような空間。
訪れた人がなんとなくわかる「普通じゃない」感じ。
そんな空間を目指します。

どういう素材を集めるか

空間を萩への愛で満たすためには「何をどう使うか?」が大事です。
逆に考えると、どこにでもある材料を適当に使って、
ただかっこよく仕上げただけの空間では
どこにでもある場所になってしまいます。

どういう素材を選び、何をつくるのか?
それらをどういう風に、空間に取り入れるのか?
そこをどれだけ考えて落とし込めたかで、
素材にもたせられる意味が変わってきます。

工事に入り前に、萩で、もの集めと素材集めから。
ここでシオくんが地元に戻ってから
つくってきたつながりを全力で生かしていきます。

まず、宿のなかで使うものを、できるだけ萩の作家さんたちにつくってもらいたい!
ということで、

1.萩焼の窯元「大屋窯」
2.地元で大漁旗などを染めている染め物屋「岩川旗店」
3.前述した家具職人のチュウゲンさんの「中原木材工業」

に協力していただきました。

まず、大屋窯に制作をお願いしたものは、
オリジナルの磁器のランプシェード、オリジナルの磁器の洗面ボウル、
オリジナルの磁器と陶器のタイルの3つ。それぞれ紹介していきます。

ランプシェードは、大屋窯の職人さん指導のもと、
rucoの3人のオーナーと僕の4人でひとつずつ
それぞれ好きなデザインを考えて、それぞれの手を使って制作しました。
つくった人の個性が見事に反映されていて、それがまたすごく面白い。

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ランプシェードの制作風景(※大屋窯は普段陶芸体験などは行っていません)。

オリジナルの洗面ボウルはサイズを伝え、釉薬の相談をして制作をお任せしました。
大きな洗面ボウルは初の試みで、排水金具取り付け部分の加工など難しい内容でしたが
なんとかオープンにギリギリ間に合いました!

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洗面ボウル。

タイルを陶器と磁器でそれぞれ依頼したのは、
古くから「萩焼」で知られる、焼きもののまちだけど、
普通に生活している人や旅行者は
そもそも「陶器と磁器の違いってわかるのかな?」という素朴な疑問から。
だから陶器と磁器のタイルが並ぶようにデザインしました。

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陶器のタイル。

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磁器のタイル。

次に岩川旗店さんには、
ドミトリーのベッドのカーテンのデザインと染めを依頼しました。
そこで実際に担当してくれたのは、
跡取り息子で当時若干25歳だった岩川大空(そら)君。
当時の大空くんは、まだまだデザインや染めは勉強中でした。
仕事として一からデザインを起こせる機会というのは、
萩という小さなまちにいるとなかなかないもの。だからこそ、
「この仕事を、大空くんの最初の仕事としてデザインから加工まで依頼したい」
そう思いました。
シオくんと僕の気持ちを受け取って、
苦戦しながらも素敵なカーテンを制作してくれました。

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染めの作業をしているところ。

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染め上がったカーテン!

最後に中原木材工業のチュウゲンさんには、
1階の手洗いのオリジナルのベース(脚)と
ハイテーブル用のスツールの制作をお願いしました。

チュウゲンさんにはほかでもものすごくお世話になって、
例えば2階の床材を製材する時に工房を借りたり、
1階の壁に使う木材を製材する時に製材所を借りたり
1階と2階のテーブルを制作する時に助けてもらったり……

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チュウゲンさん制作の洗面台。ボウルは大屋窯。

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チュウゲンさんの工房を借りての作業風景。

こうやって、萩の職人さん・作家さんの全面的な協力をいただいて、
rucoのピースは集まっていきました。
こういう動き方ができたのも
シオくんが時間をかけて地元の人たちとの信頼を築いてきたからだと思います。

こうやって、萩の職人さん・作家さんの全面的な協力をいただいて、
rucoのピースは集まっていきました。
こういう動き方ができたのも
シオくんが時間をかけて地元の人たちとの信頼を築いてきたからだと思います。

1階と2階の床材は、「パレット」という、
フォークリフトの荷役台に使われていた木材を使用しました。
このパレット、実は施工期間中に事情により廃業してしまった
萩市の酒屋さんが使っていたものを譲っていただきました。
通常だと単なるゴミになってしまう木材ですが、
その酒屋さんの記憶をrucoにつなぐために、
床材として再利用しました。
何よりも古材が持つ独特の風合いも魅力的です。
残っていた50台ほどのパレットを全て譲ってもらい、
チュウゲンさんの工房に運びました。

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酒屋からパレットを運び出すところ。

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パッレットを切り分ける。

実はこの床材、700枚ほどを全て長さと幅を揃えるために手作業で加工しました。
この作業だけで2週間ほどかかりました。
二度とやりたくないほど大変だった記憶が……。

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みんなで、ヘリンボーン貼りしているところ。

バーカウンターには、イチョウの木を使いました。
しかし、これはただのイチョウの木ではありません。
なんと、coen.で使われているカウンターと同じで、
元々は同じ1本の木だった木材。こういう木は俗に「親子」と呼ばれます。
coen.の内装ができたのはかなり前の話ですが、
それでも当時買ったのと同じイチョウが、
たまたま萩の製材所に残っていることが判明して
「このイチョウの木以外考えられない」
という話になり、即決。

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カウンターを製材している様子。

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カウンター材を搬入し、お清め。

製材して反りを調整してもらい、
搬入して飛騨の友人からいただいた日本酒でお清めをしました。
設置して丁寧にヤスリをかけてオイルを塗って完成です。

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カウンター設置!

萩の自然の色やかたちを生かした、ふたつのシンボル

楽器店時代の「防音室」として使われていた部屋を
rucoの印象的なスペースのひとつとするために、
ツリーハウスっぽく仕上げるデザインにしました。

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施工前はこのような空間でした。

ツリーハウスを下から支える木は、
オーナーのひとりである、アッキーの萩の知り合いの方の山から
大きさや枝振りが良さそうな1本を選んで伐採。
少し乾燥させた後、設置しました。

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伐採のときの様子。

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流木を下地として、部屋のまわりにつなぎあわせていく。

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左官で仕上げ。

凸凹している壁の下地材は萩の海で拾い集めた流木です。
軽トラ2杯分もの流木をオーナーたちが集めて、
それを使って大工のマコさんが下地を組みました。

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ツリーハウス完成! 中央の部屋は、スタッフの宿直室に。

全ての曲線は流木の曲線ということで、
このツリーハウスには人為的な曲線がほとんどなく
絶妙なバランスのツリーハウスが完成しました。

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萩でつくられたり、拾ってきたりしたたくさんのピースを埋めこんでつくった階段の壁。

そしてこちらは、1階と2階をつなぐ階段の大きな壁。
rucoの1階と2階は吹き抜けはあるもの
空間の連続性が薄かったので、
ここの壁で空間の一体感を持たせました。

チェックインを済ませ、お部屋へと向かう時にのぼるこの階段。
ゲストは階段を上がりながら、
さまざまな萩の素材のパッチワークを楽しく見ることができます。
この壁に埋め込まれた『萩』の要素は10種類以上。

大屋窯の陶器と磁器のタイル、
岩川旗店の端切れのパッチワーク、
質の高いことで評判の萩ガラス、
萩の名産の夏みかんと椿の葉、
最初に解体した時に出た廃材、
萩焼の窯をイメージしたレンガ、
地元の竹、
萩の夜の沖に浮かぶイカ釣り漁船の廃電球、
割れた萩焼、
地元の海岸、菊が浜の貝殻、
山口の地酒の瓶に拾ってきた同じく菊ヶ浜の砂を詰めたもの、

ひとつひとつを探して集めました。
かっこよさのためだけではなくて、
萩のどこにあったものなのかを説明することでrucoを訪れる人に
萩のことを少し知ってもらえるような、
そんなデザインの壁に仕上げました。

今回も手伝いにたくさんの人が来てくれました。
rucoもNui.の時と同様、本当にたくさんの人が手伝いに来てくれました。
萩の人はもちろん、大阪や東京から、
または近くのゲストハウスから工事の噂を聞きつけてきた大学生などなど。

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みんなとの記念写真と作業風景。

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ruco.の工事を通じて知り合った美容師さん。後に独立して萩に美容院を開くことになりますが、その話は後日詳しく。

手伝いにきてくれる人がいるから、できるデザインがありました。
一番大変だったのは手すりに革を巻いたこと。
20cm幅の革をたくさん縫いつなげて、
それを手すりにぐるっと巻いて縫いあげました。
延々と続く地味でしんどい体勢での作業でしたが、
東京のゲストハウス「レトロメトロバックパッカーズ」のオーナーであり、
友人の山崎早苗さんが2泊3日で東京から来て、
夜なべして仕上げていってくれました。
rucoに来ると必ず触る場所のひとつです。

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<革巻きはこんなかんじで。/p>

こうしてrucoはオーナーたちの夢と、
関わってくれたたくさんの人の想いと、
萩へのたくさんの愛情で、
萩にしかない、シオくんたちとしかつくれない空間ができました。

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初めての地方都市での物件で
初めて渡部屋以外の人との空間づくりを経験することができて、
もの凄く大変だった分、一段と経験値が増えてレベルアップできた仕事でした


writer’s profile

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TADAFUMI AZUNO
アズノタダフミ
1984年大阪府生まれ、福岡県育ち。2007年名古屋市立大学芸術工学部卒。会社勤務後、2010年より1年間の世界一周旅。帰国後、2011年から都内でフリーランスとして活動開始。現在は長野県下諏訪町を拠点に妻のカナコとmedicalaとして活動中。呼ばれた地方で住み込みながら空間つくりをしている。代表作に東京都蔵前のNui.、山口県萩市のruco、長野県下諏訪町のマスヤゲストハウスなど。


information

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Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE
住所:東京都台東区蔵前2-14-13【map】
TEL:03-6240-9854
http://backpackersjapan.co.jp/nui/


※この記事はcolocalに2014年11月20日に掲載されたものを転載しています。

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