旧家が立ち並ぶ、京都郊外ののどかな地域である。背後に里山を望む敷地は、南向きで日当たりがよい。
元は鉄骨造の住宅が建っていおりフルリノベーションも模索したが、最終的に新築となったのは「配置」を替える必要があったからだ。
敷地は100坪ほどあるものの、建物の後ろに駐車場があり止めにくかった。
駐車スペースは必然的に一番前に来るので、建物の心象を決定づけることになる。
「3台駐車可」は当初からのテーマで、何とか機能と美しさを両立させたガレージハウスにしたい。更にそれを、木造4号物と呼ばれる、一般的な工法で実現すること。
敷地が南北に長かったので、「前庭」「中庭」「裏庭」と3つの外部を配置している。
「家族で気軽に屋外で食事がしたい」「近所の友人とBBQを楽しみたい」という要望を叶えるのが「中庭」である。
22畳程あるLDKの南に連続することで、アウトドアリビングとなる。
郊外型の住宅は、周辺の視線を気にせずともよい外部を確保しづらい。また、車社会でもある。
インナーガレージとしては3台だが、その前に3台。前庭に2台と、計8台はゆったり駐車できる。駐車場から中庭へ直接アプローチできる動線も確保した。
薪ストーブはこれまで何度もトライしたが、初めて実現することができた。ゆらめく炎を見るのも楽しいが、体が温まると外にでても温かいそうだ。
どの計画においても、まずはメインテーマを決める。
笑いがアンサブルする家。
多くの人が訪れる家は、よい家に決まっている。笑顔がさらなる笑顔をつれてきてくれるはずだから。