白の格子 街並みへの処方
東京都渋谷区に建つ医療系のテナントビル。1,2階には飲食店と薬局、セットバックした3~5階にはクリニックが入る。雑然と看板がひしめく駅前商店街の、典型的風景が広がる。長期的に記号の海を舵取りできる柔軟性と中立性、医療系ビルとしての視認性を併せ持つ外観ファサードを探求した。狭い商店街でフォーカスされやすい低層部は、白の格子フレームとガラスからなる。鉄骨部材の構造的な交差、医療を象徴する白十字、そして利用者の往交という3種の「交差 - Cross」が、シンプルな白の格子として街並みに顕在化する。クリニック利用の多い日中は、白十字としての様相を呈し、ガラスに映り込む商店街の鏡像が内部への視線を緩和する。飲食店のにぎわう夜間は、格子に縁取られた大ガラスが、道行く人の視線を誘うショーケースとしてふるまう。時とともに他者のまなざしを調停しながら、白の格子は街並みに向き合う。
(その他の写真は下記サイトにて)
https://www.poda1.com/egc
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