敷地は都心の住宅密集地に位置し、敷地面積わずか46㎡の狭小地である。
北側と西側に4m道路のある角地であり、敷地の狭さに加え、厳しい道路斜線が掛かる。
施主の要望である、ガレージ、LDK、3つの寝室、床下収納、テラスなどの諸室を限られた延床面積の中に詰め込み、採光、通風を確保した豊かな住空間を如何に実現するかが課題となった。
建物は各諸室の必要最低限の面積からなる、3層のヴォリュームを積み上げた形状となっている。
道路レベルの1階に駐車場、玄関、主寝室、主寝室の下階に床下収納を設けた。2階は子ども部屋と浴室等の水廻り、道路斜線が掛かる3階はワンルームのLDKとなっている。
各層は異なる形状のヴォリュームとして積上げられ、そのズレが1Fのアプローチにおいては庇となり、2Fにおいてはテラス、3Fにおいては2Fテラスの屋根となっている。
1Fはセキュリティを考慮し、最小限の小窓で採光、通風を確保し、2Fはズレによって生じたテラスを介して外部と接する事より、比較的大きな開口を設けた。3Fは上部に対して視線が抜ける事により多数のトップライトを設け、コンパクトでありながら開放感のあるLDKとなっている。また、3層吹抜けた階段室により、トップライトの光が下階に降り注ぎ、下階の採光、通風を確保している。
各部屋の内装は部屋ごとに仕様を変え、小さいながらも異なる趣のある空間が生まれる様、意図した。
内外において敷地全体を有効化した、コンパクトな住宅が実現した。
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