敷地は奥行き約3.2m、間口約15m、面積は51㎡の細長い狭小地である。
奥行き3m弱の細長い敷地に対し、いかに内部空間の広がりを確保するかが課題となった。
前面道路は10mで東面に位置し、さらにその先に線路があるため、採光、眺望は十分に確保出来る。
その前面道路に対し、建物は間口を最大限に確保するように配置し、建蔽率や、隣地からの外壁の離れ、外壁の厚みを考慮していくと、部屋の内寸の奥行きは2.1mとなる。
奥行き2.1mの中でベットやキッチン、ソファーや椅子などを配置すると、部屋はほとんど制限され、どうしても窮屈な印象を持った空間となってしまう。
その問題に対し、各部屋を出窓化することで、最大現に内部空間を広げることが出来るのではないかと考えた。
建物は間口約13m、奥行き約2.2mとして、中央に階段を配置し、各部屋を左右に配置している。
階段を中心に建物はスキップフロアで構成され、1階は屋根付きの駐車場と水廻り。2階にダイニングキッチンとリビング。3階に主寝室と子供部屋を配置し、屋上へと連続させていく。スキップフロアによって、部屋間に断面的な連続性を生み出すとともに、長手方向への最大限の視界の抜けを確保している。
各部屋には機能に伴った出窓を設置し、棚、キッチンカウンター、ベンチ、TV台、ソファー、ベット等の必要な家具と一体化させることで、各部屋を成立させている。
細長い狭小地において、出窓化された部屋によって、視覚的にも物理的にも、最大限に広がりを持った内部空間
を確保するとともに、部屋の機能が出窓化されファサードに表出される住宅が実現した。
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