震災後の区画整理によってできたL型15坪の残地が計画地でした。
クライアント夫婦のご心配は
「このような狭小変形地で快適な生活空間の創造が可能なのか?」
という当然のものでした。
私たちは法的に許容される建坪10坪の建築ボリュームをそのまま建物の形状とし、その中をどのように住み込むかということを考えました。
そこには階数の概念より機能としてのゾーニングが優先され壁のない一繋がりの立体的なワンルームが設定され、合せて採光や通風が確保されていきました。
敷地や環境に合わせて絞り出した生活空間は、もしかするとクライアントに新しい生活スタイルをもたらしてくれたのかもしれません。
そして住宅はそういうものであっても良いのかもしれません。