歴史ある神社の参道沿いにある4人家族の住まいです。
敷地周辺は参道沿いに形成された古くからの住宅が点在し、
昔ながらの日本家屋の風情を残しています。
この周辺の雰囲気を壊すことなく昔からあったかのような、
佇まいと建築のあり方を意識して設計を進めました。
建主の要望から敷地の半分、東側は畑ができるよう残し西側に寄せて建物を配置。
奥行きの長い敷地形状をトレースするように、東西に抜けをつくり、
庭への出入りのしやすさを考慮し大半を土間仕上げとしています。
シンプルな切妻屋根を基本とし深い軒の出をから生まれた軒下空間が、
庭との関わりをより一層豊かなものにしています。
ロフトに設けた物見台からは山並みと海を望む自然豊かな環境を享受できます。
畑の管理にも一役買っているそうです。
西側には将来的にお店を出すことを考慮したアトリエを併設しています。
竣工からまだ数年ですが、板貼りの外壁も落ち着き、静かに佇んでいる姿が印象的です。これから時間を纏いさらに美しくなる姿が楽しみな住まいです。
①抑揚のある内部空間
土間や小上がり、勾配天井のを設け、内部空間が単調にならないように配慮しています。
②庭と繋がる軒下
屋根は出来るだけ軒を出しました。
軒下の中間領域が外部との繋がりをつくりだしています。
③外壁の杉板
外壁は経年美化する自然素材を使用しています。
時間を経て美しくなる素材は人々に安心感を与えてくれます。
畑を自分たちで耕したいとのご要望があったので、出来るだけ建物は敷地片側に寄せて配置しました。また、畑に向けて生活の視点が向くようにプランニングしています。
建主はDIYがお好きで、デッキテラスや板塀、外壁の装の一部は、ご自身で施工されました。
建主からの「畑を耕したい」からスタートしたプロジェクトです。
一見、不利な条件も建築家目線から見ると可能性に溢れていたりすることもあります。
その敷地の魅力を十分に生かした設計を心がけています。
是非、ご自身の生活や暮らしのイメージを語ってください。
大海を進む船。
広い敷地に佇む平屋が、おおらかに大海を航海している船に似ているように思います。
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