居抜き物件の改修工事です。
居酒屋の雰囲気を払拭し、ワインのお店にふさわしい内外装にすることが求められました。そのため、残す箇所と消す箇所を見極め、コストを抑えるために、オーソドックスな材料を使い、必要最小限の工事で完成する設計を心掛けました。
主な工事は次の三つです。
①カウンターの製作
②外壁の防火構造化
③手洗いのリニューアル
内装は大工工事のみで仕上げ、二種類の合板と既存左官壁の対比表現になるようにデザインしました。外装は、既存外壁の上に構造用合板を貼り、モルタル仕上げとしています。
全ての塗装は、店主自ら行い、コスト削減と店作りの主体性を取り戻す機会としています。
10坪の小さなお店です。
とても居心地がよく、お客様同士が仲良くなれるアットホームな雰囲気があります。
ワインとチーズの品揃えが豊富です。
是非、多くの方に、足を運んでいただきたく思います。
ナナ・ヴァンHP
https://nana-vin.com/
塗装工事は、全て、店主が行いました。
最初は、恐る恐る始めていらっしゃいましたが、最後の工程では、自分で色の濃さを調整し、お好みの仕上がりになるよう、夢中になって作業されていました。
自分の好みを頭の中で考えても、ぴったりする答えが見つからないようです。
むしろ、実際、体を動かしやっているうちに、欲求が自分の中から浮かび上がり、見つかることのほうが多いようです。
予算の少なさは、条件の一つに過ぎません。
設計者との対話の中から、優先順位をはっきりさせ、実現したいものに予算をきちんと掛ける決断が、大切です。
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