南向きのルーフテラスを敢えてクローズに
この住宅は区画整理地の小高い丘の上に建ちます。
いずれ住宅が密集し、プライバシーと開放感が表裏一体の課題となる立地条件、程よい間口と南向きという敷地において、2階に家族が集まるプランを提案しました。
建物正面、真四角の壁の内側にはLDKと連続するルーフテラスが配置され、道路側から視線をコントロールしながら内部空間を拡張しています。この壁の効果により、周囲を気にせずリビングの大きな開口部を開放し、常に採光と通風が可能となっています。
1階には、玄関・個室・水回りがコンパクトにレイアウトされ、各個室から水回りにダイレクトに出入りが可能なプラン、廊下と行き止まりの無い平面計画がなされています。
シンプルであることを意識する
この住宅はいわゆる〔シンプルモダン〕というジャンルに類される建築だと思います。
シンプルとは単に簡素であることではなく、無駄をそぎ落とし考え抜かれた詳細を積み上げた結果に生まれるものと考えています。現場に於いてもあらゆる寸法を見直し、窓枠の存在感を消すこと、建具を壁と極力フラットに納めること、隠蔽式の金具を使うこと...様々なディテールを現場の方々と意見交換し進めていきました。大型の造り付け家具が多かったのもこの住宅の特徴です。大型の家具は施工時の搬入方法も重要になりますが、あまり家具を分割しすぎると継ぎ目が目立ってしまいます。詳細図面を元に何度も打ち合わせを重ねた結果、存在感のある家具が室内の重要なパーツとなって空間のアクセントになっています。
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