敷地は狭小住宅地にあるため、採光は1階よりも2階の方が明るい。そこで、LDKと和室を2階に配置した。2室は引込み戸で間仕切られ、ワンルームの様に使うことができる。家の端から端まで見通せるおかげで、実際の大きさよりも広く感じることが出来た。更に広さを体感できるように、勾配天井にして小屋組を表しとした。柱や梁の配列を整理し、構造が美しく整然と見えるように考慮した。ここは何度も図面を描いて検討した。
僕は以前、画家のアトリエを2軒計画したことがあるが、2人が共通していたのは「天井が低いと発想が貧弱になるので、高ければ高いほど良い。」と言われたのを想い出す。
この様に広くて天井の高い気持ち良い空間を提案するには、冷暖房など光熱費の対策を講じる必要があった。
この住宅は、高断熱高気密住宅である。フラット35Sの優良住宅支援制度・省エネルギー基準に適合している。また気密測定を行い、完成時の測定値はC=1.1であった。これは、北海道など寒冷地での基準値(北海道C=2.0、大阪C=5.0)を上回る大変満足のいく結果を残すことができた。
施主にお話を聞くと、真冬でもご主人が仕事に出掛けるまでの間(朝2~3時間)だけストーブを使用するが、日中は必要ないそうである。夏も同様に遮熱効果に大変有効である。
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