敷地は市中にありながらも、その喧騒から離れた東向きのやや小高い丘。眼下に桜並木の道路を挟んで池、鬱蒼とした緑地を望む恵まれた環境にある。
クライアントの要望は、「住まいの核のイメージは、例えて言えば寮のホール。そこは寮生(家族)が自室を出て、本を読んだり、勉強をしたり、話ができたりと、気ままに過ごせるようなスペース。傍らに沢山の本に囲われたライブラリーがあり・・・。また敷地の利を生かし、ときに自然と一体となるような暮らしができればいい・・・。」といったことであった。
リビングは豆型の大きな机を置いた吹き抜けのホール。そこから300㎜下がって暖炉のある小さな隠れ場所のようなヌック。2100㎜上がってライブラリーである。これらのスペースとキッチンダイニング、デッキ、子供室は2つの階段を介して、メビウスの輪のようにぐるりと繋がる。子供達は自由に走りまわり、自分の居場所を見つけては思い思いの時を過ごす。
この家には、行き止まり無くどこにいてもどこかの空間、環境と繋がる居心地のいい様々な場所が設えてある。
photo:石井紀久(Blitz Studio)
資料請求にあたっての注意事項