幹線道路から少し入ると静かな住宅地へと変わります。
「渋谷の住宅」は正にそんな立地にあります。
敷地に高低差があって建物の半分以上が土中になるのと趣味の小さな個室を造るため、地下1階は鉄筋コンクリート造としました。
1・2階は、広いLDKと水周り、個室をできるだけ開放的に造るため、鉄骨造としました。
また、離れの仕事場は木造です。この住宅は、コンクリートと鉄と木と3種類の構造によって成り立っています。
性格の違う庭をプランに分散して計画し、インテリアが交差して空間に奥行きを与えたり、それぞれの場の使い勝手に自由度を与えようというものです。
ダイニングテラスで青空の下で食事をしたり、リビングの延長で庇に守られ子供の遊び場になる軒下テラス。扉の開閉で外の庭と繋がります。
家のどこからでも家族の気配を感じ、安心して子供を育てられるそんな環境を備えた住宅の提案です。
設計担当 : 納谷学、太田諭
構造設計 : かい構造設計 寺門規男
施工会社 : アートウェブハウス 岡本耕
構 造 : 地下1階 RC造 + 地上2階 鉄骨造 + 離れ 木造
延床面積 : 268.53m²(81.23坪)
地階面積 : 102.75m²(31.08坪)
1階面積 : 103.38m²(31.27坪)
2階面積 : 62.40m²(18.87坪)
掲載誌 :
『デザインで選ぶ住まいの設備2009』
①二つの中庭
ダイニング・キッチンとリビングをつなぐ中庭。アトリエとスタジオ、リビングをつなぐ中庭。
二つの中庭が都市住宅に多様な場所とシークエンスを作ります。
②鉄筋コンクリート(RC)の上に焦げ茶色の箱、そして木箱。
建物の構成は、土中に埋まる鉄筋コンクリート(RC)の地下1階の上に、プランの自由度が高くて大きな空間を得られる地上2階の鉄骨の箱を載せています。
一人集中できるアトリエを木造で計画しました。
③どこの部屋も明るくて、風が抜けます。
二つの中庭を囲うように部屋が配置されているので、街の中なのに開放的でプライバシーが守られています。
考え事をしたり、休んだり、一人で集中できる部屋が欲しいということだったので、庭(外部空間)を挟んで、木造の離れのアトリエを提案しました。
クライアントの奥さんが靴が好きで、とにかくたくさん下駄箱が欲しいということだったので壁一面を下駄箱にしました。結果、これまでで一番大きな下駄箱となりました。
土地の高低差をうまく利用すると、平坦な土地とは違う面白さを持った魅力的な住宅になります。
チェッカーフラッグ或いはひょうたん?
チェッカーフラッグは、白と黒が市松模様になっています。
この住宅の一階のプランも、住空間(部屋)と中庭(テラスや庭)が交互に交差しています。
ダイニングキッチンとリビングの両サイドにテラスがあってひょうたんのくびれの様。
太田諭(スタッフ)
かい構造設計 寺門規男
アートウェヴハウス 岡本耕