周辺環境は雑然とした印象であるが、患者さんとの信頼関係とクリニックが良好な環境形成のリード役にと端正な建築を目指しています。片側を壁に守られたゆるやかなスロープを上がってエントランスに至が、スロープ・エントランスとも待合室から適度に距離がとられ、クリニックのプロローグとしてふさわしい心理的なゆとりを与えています。待合室・中待ちは空間の量や方向・スケール・開口部などにより、内部にあっては開放的で、外部からは見え難い構成としています。また、診察室等諸室は、プライバシーが完全に守られていながらも、ハイサイドからの光により、(自然光による)明るさ・開放感を得て患者さんが安心感と安らぎを感じ取れます。 エントランス・待合室・中待ち・診察室はそれぞれのエリアで空間にメリハリをつけ、移動する度に心理的な切り替えを感じ、緊張感から解放される構成になっています。機能的でコンパクトな構成としながらも、患者さんにとっては心理面で負荷の少ない建築を目指しました。
第6回JIA(日本建築家協会)中国建築大賞2014優秀賞受賞作品です。