東京下町にある築後およそ40年経つ鉄骨2階建て住宅のリノベーションである.都市の戸建て住宅が約30年スパンで建て変わっていくといわれる中,建主はスクラップアンドビルドというありきたりの手法ではなく,スケルトンと外皮を残しながら内部をリファインする道を選択した.更地に上屋を建てるのがゼロからのスタートとすれば既にあるものの内部を解体し,造り変えることはマイナスからのリスタートである.床,壁,天井全てが剥がされ山積した廃材により身動きもままならない内部空間に剥き出しとなった骨組みは当時の住まい手と造り手のモチベーション,永い間の生活を支え続けてきたマテリアリティなど多くを物語っていた.生まれ変わった明るくミニマリスティックな空間は2世代にわたり住まれ継がれていく.
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