天然素材のみで作った家

敷地は建築協定が定められ美しい環境の保たれた住宅地にある。敷地の南側に建主の趣味の家庭菜園を設けるための庭を残し、壁面後退制限にしたがった矩形の建物としている。ビルトインガレージ奥のガラス張の玄関ホールを入ると、その正面には土間とその向こうに坪庭があり、北側の客間と南側のLDとはこのタイル張の土間によって隔てられることで、「離れ」のような雰囲気を生み出している。客間の和室には坪庭を見下ろす地窓と、道路側に植えた百日紅をガラス越しに望む床の間を設けた。LDは南側に大きな開口を持つ吹き抜けを設けているため、一日を通して大変日当りのよい明るい空間であり、その上部には吹き抜けを介した近い距離に夫婦の寝室を設けている。LDの床暖房にて暖められた暖気はそのまま主寝室で活かされ、コンパクトに効率よく暮らすことができる間取りともなっている。水廻りは2階の主寝室のすぐそばに集約させていて、さらに浴室や洗面脱衣室に面して8帖ほどの広いテラスを設けている。このテラスは四周に壁を立ち上げているため周囲を気にせず空だけを見ていることができる屋外空間となっていて、入浴したり屋外でくつろいだりする時間が快適なものとなるようにと配慮している。

tentline（テントライン）

水口 裕之

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