線路に面した長方形の敷地に計画された住宅です。
オーナーからの要望は、[シンプルであること]と[経年でチープにならない素材を用いること]でした。
電車の騒音を遮るように、平面計画は道路側には閉じながら敷地奥側にテラスを持つプランを提案しました。
玄関に入ると、外部からは見えていないテラスが窓越しに垣間見え、空間の広がりを予感させます。
1階に大半を占めるLDKにおいてはライムストーンのような質感を持つ大判タイルが室内とテラスの内外で連続し、
限りなくフラットに納められた収納面や建具類が室内を構成しています。
奥様のお茶の稽古のために設けられた和室は、和紙太鼓貼りの障子で仕切ることにより
モダンな住宅の中にいることを忘れるような別世界となるようしつらえました。
外壁に用いられたコテ仕上げの塗材、杉板の玄関扉、和室の漆喰壁など、
生活の場をつくる要素は年月とともに風合いを増し、ここで営まれるシンプルな暮らしをより豊かにしていってくれることでしょう。
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