クライアントご家族は以前、大阪市内のマンションに暮らしていた。今回の新築にあたって、思う存分ドタバタ出来る家を、ということになった。
敷地は南面し、日当たりは非常に良い。それを損なわないよう、建物は出来る限り北に配置し、余白をドタバタ広場と名付けた。
1階はリビング・ダイニングを中心に、東に水廻り、北にキッチン、西にピアノ室と和室を配置。上部は吹抜とした。リビング奥の階段を上がると、4mの机を備えたスタディーコーナーに出る。動線の途中に淀みを設ける事で、ふと立ち止まれる空間になればと考えた。
吹抜側の腰壁には、ランダムな開口をあける。ご主人のアイデアだが、思わずのぞきたくなるようなものをイメージした。最も現在は、ボール遊びの格好の標的となっているのだが。
子供部屋はクローゼットでつながれている。映画「ET」の冒頭に、少年とETが隠れていた場所からイメージしたものだ。上部ロフトも子供部屋からハシゴで登れる。吹抜へ向かって顔を出せば、一番高い場所から、家全体を見下ろすことができる。収納は、シューズクローゼット、キッチン横の階段下、2階の納戸と、各エリアに容量のあるものを備えた。
ピアノ室、スタディーコーナー、ロフト、ドタバタ広場。これらは、暮らしに何かを付加したい、という思いから生まれたものだ。必要以上に恣意的なものは不要だが、何か行動を起こしたくなる仕掛けは積極的に取り組みたいと思う。家はいつでも、家族の幸せの為にあるのだから。