日経アーキテクチュア2004.5.17掲載
http://www.kkf.co.jp/design/etc/parm_g/index.html
近隣相場の1.4倍賃料にもかかわらず、空き待ちの状態が続いています。
コストコントロールも事業も成功しました。
駐車場の2/3は外国産の自動車で占められています。
<計画コンセプトの設定・・オール電化の縦型コートハウス>
[ 1 ] 計画目標
(1) ボイドに設置による自然(光、風、緑)を感じられる建築
(2) デザイン性の高い外観及び内観(羊羹型というパラダイムからシフト)
(3) オール電化による設備供給(安全性、メンテナス軽減、ユーザーのランニングコストの軽減)
(4) セキュリティの充実
(5) 居住者の集いができる共用スペースの設置
・2階デッキテラス(約50?)・・・シンクを設置してパーティー等の集いに対応
・屋上デッキテラス(約150?)・・日常的には物干し、非日常としては簡易セレモニーに対応
[ 2 ] コンセプト
自然(光、風、緑)を遮断するのも建築。自然(光、風、緑)を享受するのも建築。建築は壁と屋根により外界(自然)を遮断することから始まる。自然は人々にとって魅力あるものでもあるが、辛く厳しい存在でもある。人々は旅行に出て場所を変え自然を楽しむ。しかし、自然は今居る其処にも常に存在する。建築という仕掛けにより日常生活の中にも存在する素晴らしい自然を享受させようとしたのがこの《パームガーデン》である。
住居は27戸の2LDK。全タイプにアプローチを設け、共用エリアとプライベートエリアの境界にハーフプライベートエリア的な使い方ができる。アプローチ部に設置されたボイド(吹抜け)により、北側のアクセスでありながら光を感じる、気持ちよいアクセスができる。
玄関に入ると、下足箱上部よりボイドから自然光を感じることができるように開口部の設置。
個室群もまたボイドより自然光を受けることにより北側採光のみに頼らないプランとした。
リビングドアを開けると正面に現われる大開口のサッシと供に、居室部ボイドに隣接したリビングテラスと内外一体となった広がりのある魅力的な空間が実際以上の広がりを感じさせる。
このボイドの存在が、この建築の重要なファクターとなる。
設備的に今回、賃貸でオール電化を採用した理由としては下記の通り。
1).調理時水蒸気の発生がガスより少ないので室内汚染が少ない。
2).マイコン処理をしているので天麩羅など素人には難しい料理も簡単にできる。
3).火災等の発生率が少ない。
4).ランニングコストはガス併用よりもオール電化のほうが少ない。
他、配慮した部分として
1).洗面は既製品の物は使用せず、木製のオーダーメイドのものとした。
2).洗面、洗濯、脱衣、トイレを一体とすることにより各々の隔てがなくなることにより、空間を広くした。
3).UB、洗面、脱衣、トイレ各々に開口部を設置することにより、昼でも常に人工照明を使うことがなくなる。
4).造作カウンター、ピクチャーレール、照明ダクト、空調設備等を随所に設置し室内家具、設備を極力少なくできるよう心がけた。
5). 空調等の設備に関しては視覚的に常に気になる冷媒管、ドレーン管等はブラインドとし、すっきりさせた。
6). 内外一体となったリビングテラスはデッキ敷きとして直接クッション等を置いてくつろぐ事もできるしプランター等を楽しめるようデッキ下に水栓を用意した。
[ 2 ] 全体配置計画
敷地は東西に約60m、南北に35mの東西に長いほぼフラットな形状敷地である。
日影の影響を考え、不利な北側に洗車スペースを持つ住戸+来客用台数確保の駐車場にする。
一番環境の良い南側においては街路樹のあるプロムナード状とできる3m以上の空地を確保。
西側は将来的に隣地の建設の可能性もあるので、居室からの離隔は約4mとして、この場所にゴミ収集庫、駐輪場を設置した。
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