附近は古い寺院が軒を連ね,尼崎市から景観保全地域に指定されている。従って,外観は自ずから周辺地域に留意したものとなった。施主は,まだ30才前の独身ではあるが,近年この寺院の住職として迎えられることになりこの建物が実現した。将来的な間取りをふまえた構造計画をもとに多少ゆとりを持った一時的な空間が日の目を見ることとなった。1階の居間食堂は上部に吹抜を持ち,格子越に落ちてくる光は明るさとともに格子の影を床に描いている。2階の広間は施主と知人達の交流の場として利用される。その天井は黒く塗装された木製の軸組が露出しており空間の演出に一役かっている。
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