5HORNはイオンモール松本/空庭1Fに出店した約19坪の洋菓子店。クライアントは上高地で宿泊施設を運営しており、それに関連したレストランや洋菓子店を松本の市街地においても数店営んでいる。当該テナント区画はメイン動線、フードコート、2Fシネコンへのエスカレーターの三方に開かれている。このジャンクションのような場所は上高地の宿泊施設の敷地とも特徴が同じであり、今回はそれをデザインの拠りどころとした。宿泊施設は上高地の中心を流れる梓川と支流である清水川の合流地点にある。またそこには吊橋(河童橋)が掛かり、そこからの穂高連峰の山並みは、上高地を代表とする景観である。今回はこれらの自然環境を多層な影を用いて表現することを試みた。丸鋼管と微細な影をつくりだす全ネジの組み合わせにより川の流れと山並みを、床に落ちた影で水面を、ブラスト加工のミラーと多層な丸鋼で霧を、不均質な手仕事による商品棚で雲を表している。身体との距離が近づきやすい曲線を軸とした丸鋼管の間を移動することで、遷り変わる微細な影をより体感できる仕組みとなっている。
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