住宅地の中で、外からの視線を一切排除することで、心から安らげる住空間をめざした。そのため、敷地に合わせて四方を壁で囲み込んだ。2階には窓を設けず、1階の玄関のみが外部とつながる唯一の場所となる。
この囲まれた箱に中庭を設け、各部屋が中庭に向けて開く構成とした。中庭の仕上げを白い床タイルやコンクリート打放しの壁など、内部と同じにすることで、内外の連続感、一体感を高めた。
2階は、囲まれた四角い箱の上に、三角の片流れ屋根を載せた。上からの自然光が、閉じた室内を明るく照らし出し、高窓で切り取られた空の風景が、心に広がりを与えてくれることを意図した。
掲載誌
「ディテール168」(彰国社2006発売)
「新・すてきな家づくり-6」(講談社2006発売)
「マイホームプラン・住まいと暮らしの百科」5・6月号