敷地は、周辺にはマンション等が建つものの旧町割りによる古くからの小住宅が並ぶ僅か51㎡の狭小地である。東、北側隣地は境界いっぱいに建物が建っているが、西側は隣家の駐車場に使われており、当分は空き地として担保されている。単身者にとっては、利便性も良く、計画次第では十分な広さの快適で寛いだ住まいとなりうると考えた。
計画は1階に和室(3畳)と寝室、水回り、2階に主室としてのLDK・書斎、納戸である。主室は階段室を含めて15.6畳、シンプルな矩形平面に切妻屋根のふところを内部に採り入れ、西側窓を繋がった出窓とすること等により、大らかな気積と落ち着きを感じる空間となっている。
全体から部分に至るまで、ミリ単位の調整を繰り返すことで、無駄なく使い勝手のよい住まいとなるよう注力した。
和室は玄関脇の離れの趣である。炉を切り、友人を招いて茶を楽しむことも出来る。
photo by:石井 紀久
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