敷地は海沿いのドライブにうってつけの134号線の海岸通りに面する土地。そしてそのオーシャンビューを求めて建ち連なる別荘街の一角である。その敷地をみて我々は、まずは海の見え方を確かめようと、小さな櫓を拵えることを決めた。
いざその櫓の上に登ってみると、そこには想像以上の景色があった。まるで海沿いの断崖の上に立ち、眼下に雄大な海景を見渡すような体験だった。そしてこれを建築的に再現するために、1階に崖のようなクローズなボリュームをつくり、その上にLDKを擁したオープンな2階を載せるという形式が導き出された。しかも1階は標準的な階高ではない。1階の崖ボリュームは、致命的な高さで空中を走る電線を躱すまで4.5M立ち上げた。そして相対的に高くなった2階からの景色は、櫓の上から見たあの日の景色の再現以上のオーシャンビューとなったのである。
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