旭川の市街地に建つ4人家族の専用住宅。
はじめにそれまでのお住まいを拝見させていただいたとき、家族ひとりひとりの距離が近く、年頃になるお嬢さんたちのプライバシーがあまりないこと、日々届く宅配便に生活空間が脅かさせていることが大変気になった。
そこで、この家では階段を半階登った踊り場をリビングとし、宅配便や洗濯物といった煩わしいものは踊り場より低い位置で、リビングより上では視線にそれらが入らないようにした。さらに踊り場を起点に上下左右に各々の個室を独立して配置し、各部屋へ至る階段や廊下もそれぞれ別々となっている。
リビングの反対側をさらに半階登ると、2階の書斎やダイニング・キッチンへと至る。
家族それぞれの部屋は、各々の家のようであり、そこからリビング(広場)へと出て、各自用のあるところへ出掛けていく、小さな街のような住まいである。