計画は既存の店舗を増築し、狭い客席を広げ、家族でゆったり過ごす
ことのできる座敷席を設けたいという店主の要望を基に進んだ。
外観は波打つ格子とサインでシンプルな白い箱を彩り、夕方からの営
業時には内部の光が開口部と格子を通して外に漏れる。
国道からもよく見えるように北東角のサインをライトアップしながら、
アプローチからエントランスにかけてはカラーモルタルで特徴を出し、
内外の一体感を表現した。
エントランスでは床のカラーモルタルに加え黒皮鉄、モザイクタイル、
サインといった多様な素材を用いている。
客席空間は、濃い配色のカウンター席を囲むように、素材そのままの
色を活かした座敷席、テーブル席を配置している。
鉄板テーブルは既存店舗にあったものを拡張・再利用し、テーブル席
とカウンターの椅子はそれぞれの空間の色のイメージを損なわず、お
好み焼店っぽさを感じさせないものとしている。
手洗コーナーののれんは徳島県産の藍染・阿波しじら織りを使ったオ
リジナルのもの。
家具も含めて"○○風"という一言で表せないイメージの表現は、様々
な店舗で経験を積んできた現店主が、先代から引き継いだ既存のお好
み焼店に、一品料理なども備えて扱う料理の幅を広げようという試み
に共鳴する。
結果として、ゆったりした店舗で結婚式の2次会などの今までにない仕
事を引き受けることができるようになった。
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