都市のなかの中庭型住宅である。 中央に8.5m角の大きな中庭が配置する。中庭には大きなアキニレを植樹している。ジグザグに非対称に横へと延びており、さらにニレらしい先端の尖った枝を擁する。矩形の非自然の建築体に対してニレはいわばレフレクターの役割を担う。角に対する非対称、構造物に対する緑の光。相反する存在としてニレは立ち、中心から放射状に自然エネルギーを注いでいる。コーヒーとハンモックが似合う中庭である。 居間と中庭は連続空間であり、一体的に活用されることを期待している。中庭の一部は一間の庇があり雨を凌ぐテラスとして活用している。同時に冬と夏の日照の調整を行う庇でもある。さらにその庇の南にニレの木があり、ニレも然り落葉樹として冬と夏の日照調整を果たしている。2段階によるパッシブな装置が宅内の環境を調整している。
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