飽きの来ない、歳月を経るにつれ深みの増す家を目指しました。
家が長持ちするかしないかは、住まう人の愛着心がどれだけ家に表現されるかで決まります。木造でも構造力学が確立され、温熱性能も向上していますので、物理的な耐用年数は10年前と比較して飛躍的に伸びています。
それでも木造建築の寿命が短いのは、住まう人に飽きられてしまい、古臭いとか流行遅れだとかの理由で建て替えられてしまう為です。住宅は洋風・現代風が主流となっている昨今に、敢えて和風住宅を設計しました。和風住宅は白木を多用し、白木の経年変化を楽しむ造りです。ペンキで仕上げると塗り直しをしなければなりませんが、白木には朽ちて行く美しさがあります。京都の古寺に見られるような落ち着きのある色合いに変化して行きます。
和風建築の欠点である構造的弱さや気密性の問題を現代の技術で克服し、和の伝統と融合させたハイブリットな数寄屋です。
1年月を経るごとに、風合いの増す、飽きの来ない和風住宅
2開口の多い和風空間でも温熱等級4を取得
3重い屋根瓦を設けても耐震等級3を取得
■お施主様より、飽きの来ない長く住める家をご要望されました■
●飽きの来ない家造りのために
奈良や京都に何故観光客が集まるのでしょうか。有名な社寺仏閣があるから?日本の歴史が凝縮されているから? それもあります。でもそれだけではリピーターは訪れません。
奈良や京都へ多くの人が、何度も訪れる理由は町の雰囲気にあるのです。そこには多くのホンモノの自然素材が残っているのです。
本物の板塀、本物の漆喰、本物の瓦、本物の石畳等々です。日頃自然素材ではない人造建材の中に身を置いていますので、余計に心が安らぎます。
住まいを考える時、この親善素材を大切にする心が飽きの来ない家造りにつながっているのです。
例えば、古い街並みの板塀がもしも安っぽい合板で作られていたら魅力を感じるでしょうか。年を経る毎に風合いの増す自然素材だから魅力を感じるのではないでしょうか。
新発売の当初は「汚れない、キズつかない、色褪せない」をキャッチフレーズにヒット商品になった合板フロアーは、確かに汚れず、キズはつき難く、色褪せしませんでした。しかし自然素材ではない故に飽きてしまうのです。
新建材は、接着剤が剥がれなくても張り替えられてしまう運命なのです。
自然素材の、無垢の木のフロアーは、キズつきますし、色褪せも激しいです。
しかし、手入れ次第で一生使える床板です。ついてしまった汚れやキズは歳月を経るにつれて風合いへと変化し、その変化が飽きの来ない床になるのです。
言い換えれば、キズのひとつひとつがその家の歴史になるのです。
自然素材を多用する和風住宅の提案を受け入れて下さり、この家は完成しました。
長い間住む家は、流行を追い掛けてはいけません。
服や家電製品・車と云った消費財は、新製品を買う事がステータスとなりますが、家は一生に一度の買い物です。
家は飽きの来ない家造りを目指すべきです。
流行を追い掛けると、心地よいのは完成してから10年ほどの間です。その後は流行遅れの家に住み続ける事を余儀なくされます。
現代に蘇る数寄屋
福味さんには、土地探しからお世話になっていました。この土地を購入する決心がついたのも、福味さんの後押しのおかげです。
この土地には、立派な和風の家が建っていて、当初、福味さんからはリフォームの提案を受けました。解体するに忍びない家だそうで、飽きの来ない和風住宅の良さを、教えて頂きました。
しかし、断熱性能の良い家を希望していた、私たちにとって、和風住宅特融の開放的な家は、どうしても馴染めません。思い通りの家にしようとすれば、結局多大が費用となり、もったいないとは思いましたが、解体して新築する決断をしました。
リフォームの提案を受けた際に、教えて頂いた、飽きの来ない家造りに共感し、新築も和風の住宅をお願いしました。
おかげ様で、家の中でも、思いっきり深呼吸の出来る家になりました。
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