新潟市郊外の集落の中に位置する住宅。敷地東側には川が流れ、周辺は住宅街が形成され、静かな住環境が実現していた。一戸建て住宅としては敷地が広く、敷地内には既存樹木が既に点在していたことから、地面に近い落ち着いた暮らしを実現するのが適当と判断し、小さな平屋の家を計画した。
建物を上から見ると、コの字型をしており、東側に開いた形状となっている。中央の中庭を建物が取り囲むように建つ、コートハウスと呼ばれる形式。建物のどこにいても中庭の緑を望むことができ、また、それぞれの部屋の窓からは中庭を介して、他の部屋を見ることができる。小さな家ながら、家族それぞれ、好きな部屋で思い思いのことをしながら、互いの気配を感じて過ごすことのできる空間を実現している。各部屋の窓や開口部には、障子戸や引き戸が設えてあり、部屋同士の視線を遮ったり、時には繋げたりと自由度の高い空間構成としている。
敢えて天井高さを低くすることで、空間の重心を抑え落ち着いた空間を実現すると共に、庭への距離感を近づけることを意図した。
大きく張りだした軒下の南側大開口窓からは、冬場には陽射しを取り込むことで暖房効果を、夏場には風の流れを導くことで冷却効果をと、パッシブな環境の実現を期待している。
障子戸を開けば、外にいるかのような解放感
自然素材を使った質感のある空間
高い断熱性能がありながら、デザイン性の高い空間を実現
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