熊本県天水町小天は文豪夏目漱石の「草枕」において「那古井の宿」として描かれた温泉場である。現在でも敷地近くの漱石記念館、温泉施設に賑わいを見せている。
計画施設は少人数を対象とした宿泊施設である。地下1階はオーナー住宅+アトリエ、1階は玄関、ラウンジ、食堂、2階は4つの宿泊室が並んでいる。
約12度の傾斜をもった敷地に対して、敷地上部よりブリッジで1階に進入する。ラウンジを抜け、張り出したテラスの軸線上には、有明海を介して雲仙普賢岳を望むことができる。1階は温室用アルミ型材を利用したカーテンウォールにより、周囲の豊かな自然を積極的に取り入れている。天井は立面にその断面を表す大きな曲率を持った凸面の形状で、その段差が上階の客室レベルに変化を持たせている。
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