街道を挟み玉川上水を望む立地。
目前には四季折々に表情を変えるヤマザクラやケヤキを始めとする並木群。
この眺望を室内に取り込み開放的な空間を作りつつ、遊歩道からの視線を遮りプライバシーが守られた生活を送りたいというのがクライアントからのご要望だった。
メインファサードとなる南側の吹き抜けに設けた約5m角の開口部は、景色を切り取る大きなスクリーンになるようサッシ枠の存在感を少なくするよう考慮した。また、開口上部の庇は外観を決定する重要な要素となっているが、快適な生活環境を作る上でも重要な役割を負っている。庇の出は太陽高度から決定されており、夏の強烈な日差しを遮り、冬には柔らかな日差しを部屋の奥まで届かせる。大開口であっても四季の温熱環境の変化を受けにくいことは省エネ効果があり、地球環境負荷軽減にもつながっている。
ダークグレーのスパンドレル貼りの外観は、玉川上水の「色」すなわち「桜」・「新緑」・「紅葉」の色を引き立たせるために決定された。美しい風景画の中には、風景と調和した建物が存在する。この建物もまた玉川上水の「色」と調和し、新しい風景の一部となるのであろう。
「HELM」とは、ドイツ語で兜(カブト)という意味である。開放的な生活が送れる様、内部空間を守る役目を担っている。
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