さいたま市の中心市街地で事業を営むクライアントは、宅地開発の北限に位置する緑豊かな郊外地に住宅を構え、趣味の自家菜園と読書を楽しむ生活を望みました。
◾【場所の羅針儀】の設定
菜園を耕し、育てる動的な緑地と、読書を楽しむ静的な緑地。相反する環境を一敷地の中で共存させるスタディを試み、東西方向に細長いボリュームで敷地を南北に分節する案に至りました。この結果、ボリュームの南側には野菜の自給自足が可能な規模の菜園が、北側には雑木林に囲まれた静かな法面ができます。ここでは、計画の方向性を決定付けたボリュームを【場所の羅針儀】と定義しました。
◾建築装置の配置
【場所の羅針儀】の所々に読書空間や、農作業を演出する休憩所・物置等の建築装置を配置しました。 また、読書空間では法面の傾斜に沿って天井と床のレベルを変え、雑木林の深層に下る感覚をイメージしました。
計画全体を通して都市郊外における住宅スタイルの提案を目指しています。
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