札幌市の郊外へ向けて幾筋もの尾根がある傾斜地に建つ、子供5人とご夫婦の家族7人の大所帯である。 家具のない床に近い生活を望まれ、家の中心に家族の集まれる大きなダイニングテーブルを掘り込み式で用意し、想像を絶する家事を効率よくこなすため、振り向くとキッチンがすぐ手の届く所にある。キッチンに続いて水廻り、家事室、納戸が一直線に並び、冬の洗濯物を干す場所と夏に庭に出られる動線を兼ねている。大きなダイニングテーブルの上は吹抜けており、キッチンから家全体の子供の様子がわかるようになっている。
家全体が間仕切りのない大きな一室空間であるが、外部が家の中に切り込んでおり、下駄箱や椅子、収納を兼ねた階段によって適度に分節され、性格の異なる空間がちりばめられ、家族の居場所と成長に応じて使い分けられるようになっている。