













築21年が経過したマンションの、フルリノベーション計画です。建主が高齢に伴い、戸建てからマンションへ住み替えようと思案されたことが、計画の発端です。
既存のマンションは3LDKで、各室がどれも曖昧な大きさであることや、大きな窓が漠然と配されていること等により、具体的な生活像が描きにくい状態だと感じました。そのような要素一つ一つを吟味し、より良い生活の場へ整えていくことが計画の主軸になっています。
プランニングでは北側と西側の窓から広がる見晴らしの良い景色を、キッチンや食堂など各々の場所から日常的に楽しめることや、家具配置も含めた適切なスケールで居間や食堂を設えることで、安定感のある居場所となることを目指しました。また間取りを2LDKへ変更し、そこで生まれた余剰分を居間や食堂など家族の共有スペースへ転化させることで、家族の居場所に広がりをもたらしています。
中廊下タイプであった既存のマンションの、ある種の窮屈さや空間体験の単調さを解消するために、回遊動線を計画しています。行き止まりがなく連続的に空間を体験できることで、家を広く感じられたり、移動の選択肢が増えることで、単調さが軽減し、移動する楽しさが生まれています。さらに回遊できることで風通しも向上しました。収納スペースも余すことなく計画し、生活の利便性にも配慮しています。
今回の課題の一つは、既存のアルミサッシの断熱性能の向上でした。そこで全てのアルミサッシに、樹脂サッシと造作の木製建具の内窓を設置し、断熱性能を向上させています。特に木製建具は、温かみのある空間の創出に寄与することや、見晴らしの良い景色を適切に切り取り、視線を良好な景色へと誘う役割を担っています。
このように木製建具を通じて内と外が繋がり、窓辺が心地よい場所となることで、このマンションならではの明るく開放的な暮らしが実現しています。

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