作家さんご夫婦のアトリエのある、鉄骨造3 階建ての住宅です。
1 階は仕事スペース、2 階3 階を居住スペースとしています。
数十年前に同時期に分譲されたと思われる周囲の建物は、同系色の横張りサイディングの低層住宅が多い為、新しい3 階建てのボリュームが違和感なく溶け込める外観を意識しました。
外壁のガルバリウム鋼板は周囲の建物の色に近い落ち着いた色を、またサイディング目地の横ラインを考慮して「あやめ一文字葺き」を採用しました。
「あやめ一文字葺き」はその折り目ごとにできる影が太陽の動きに合わせて刻々と変化し、建物に独特の表情を与えてくれます。
更に窓を同じ大きさで統一し、各部屋や階段踊り場など様々な高さに配置することで、外部から建物を見たときに、各階の床レベルを曖昧にし、3 階建てというボリューム感を和らげています。
階段の踊り場の窓から入る光やLDK の吹き抜けは、家族がそれぞれ別の階にいても、各階をゆるやかに繋ぎます。
3 階から半階上がったバルコニーは景色を遠くまで見渡すことができ、外部からの視線は気にせずにくつろぐことができます。
家族との生活の場としても、作家活動の場としてもふさわしい住宅になりました。