新潟市は沼垂という屋混みの中の建つ狭小住宅である。街として様々なコンテンツが整う複雑性。地域一帯は路地が張り巡らせた迷路の様相を呈し、窮屈さを否めないが、初見でその特徴的な敷地を一気に気に入った。都市の断面を切ると、この地域は1m、1.5m、2mのボイドが生まれ、断面の図と地があることを感知する。そのイメージを踏襲しつつ、必要なプログラムを想定した時に、建物を正面から見たときに真ん中に線引きをを入れ、ボリュームを2分する案が浮かんだ。相対的にみて、お隣同士のボリュームは、ボイドとして取り扱うことが可能だ。狭い敷地に連れて建築空間は狭小となるも、図と地、白と黒という相反性を基調とすることによって、内部が少しでも間延びする感覚を覚えられるように計画した。都市を散歩する延長に、空間が空間を分節する仕組みの中を散策するのだ。作り成された2分された空間は、仕上げにおいて、こちらもやや2分する仕組みとし雰囲気の違いを醸している。
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